民事信託売却事例

父の体調、意思能力に不安が出てきたお悩みご相談(T様)

お父様が32宅地の底地を所有されている一人娘のT様。ここ数年は入退院を繰り返し、そのたびに体調が悪化しており、父が亡くなった後のことを考えるようになっていたそうです。あまり考えたくない事だったようですが、体調の悪化だけならまだしも、年々意思疎通が怪しくなってきている父を見ていると、今後の事を考えざるをえなかったと仰っておりました。底地の地代の集金は管理会社にお任せしていましたが、その管理会社も7年前に相続をきっかけに会社を畳んでしまい、そこからはずっと父が地代の管理をしていたようですが体調が悪い事も相まって相当大変そうな姿を見ていました。ここ最近は集金管理も難しいようで、母が手伝っているようで、今後自分自身がこの様な管理が出来るのだろうかと不安が募っていたようです。その様な悩みが尽きない日々の中で、弊社から電話があったようで、最初は警戒されたようですが、強引な営業ではなく、悩みに寄り添ってくれる姿勢に次第に弊社に相談してみようと思いたったとの事でした。

Yさんの抱えていた悩み

  1. 父が認知症になり意思疎通が困難になってきた
  2. 母も高齢でこの先自分で管理を出来る気がしない
  3. 兄弟姉妹もおらず誰にも相談出来なかった
  4. 今後どのようにすれば良いのか全く分からない状態だった

リプロプラスからのご提案と解決方法

T様のお宅へお伺いすると、お母様も同席でご相談をお聞きすることとなりました。その結果、上記4つの悩みがメインとなっているようでした。しかし、底地を全て売却してしまうという提案はシンプルではありますがT様の今後の生活資金を考えると最適解ではないと感じる部分が御座いました。また、T様及びお母さまも基本的には代々大切にしてきた土地を手放すこと(売却)を最優先にしたいお考えはなかったようなので、資産として残す部分、売却する部分を分ける事をご提案させて頂きご承諾を得ました。しかしお父様の意思能力の不安がありましたので今後を考え民事信託をご提案させて頂きました(民事信託とは事前にご本人と家族が信託契約を締結し、その登記をすると判断能力低下後でも家族の代わりに売買が出来るようになる制度のことです)。その後、ご相談を重ね、収益性が高く管理が容易な土地は残す事にし、権利が複雑化している土地や、地代の未納が発生している土地はご売却する計画となりました。そしてご整理の方向が決まった矢先、お父様が再度入院することとなり、完全に意思疎通が出来なくなってしまいました。少しでも判断が遅くなっていたらご整理が困難になるところでしたのでT様及びお母様を始め弊社も民事信託を選択しておいて良かったとホッとしたとお話したのを覚えています(民事信託をせずに意思能力を損失すると後見制度を利用することとなりますが、この後見制度は不動産の売買のみでは利用できず、また裁判所も関与する為非常に利用のハードルが高くなり、殆どの方が利用せずに不動産の売却を諦めてしまう事となります)。

ご整理完了後

民事信託を利用しつつ、収益性の高い土地は管理状況を整えて残し、複雑化した土地や地代が未納だった土地はご売却することで整理を行ったT様。その後、収益性が高い土地を残したことでお父様の介護施設費用やお母様の生活費に不安を感じることがなく、更には売却した底地の費用でアパートを1棟建築されたようでT様自身の生活も豊かになったようです。本件のご相談は、民事信託を利用していなければこの未来はなかったと思われます。弊社としてもご提案して良かったと心から感じることの出来るご相談でした。

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